『第15話』 ペット飼うには感染症など注意

ペットを飼うことは、子供の教育にも良い効果があるが、盲導犬をはじめとして治療の目的でペットが使われることもある。

気弱になった慢性の成人病患者にペットを与えて元気になったとか、寝たきりの患者がペットの面倒を見ようとして起きれるようになったり、不自由な手が動くようになったという報告例がある。

ただ、ペットから人に感染する「人畜共通感染症」には十分注意したい。

オーム病は鳥との接触や糞(ふん)から気道感染し、風邪に似た症状を示し肺炎を起こすこともある。有効な抗生物質はあるが、早めに対処する。

ハトの糞便には真菌が高率に混じり、これを吸い込むと中枢神経障害を起こす。

猫の糞便中にいるトキソプラズマという微生物に感染すると、リンパ節炎や目の網膜炎がおこり、妊娠初期の妊婦が感染すれば流産や障害児の心配もある。

ほとんどの子犬にはイヌ回虫が寄生している。砂場はその糞便に汚染されていることが多く、子供がそこで遊んだり砂いじりをしたときは手をよく洗うようにする。感染すれば失明することもある。飼い主は責任を持って駆虫すべきだし、糞便はしっかり処理すべきだ。

また犬や猫の皮膚に付着している白癬(せん)菌やノミ、ダニから皮膚炎を起こすこともある。ペットにさわった後は必ず手を洗い、またペットの体を洗って皮膚を清潔にしてやる。人間同様ペットたちのすむ環境にも心を配ってやりたい