『第28話』 保湿薬を使って日ごろから予防

アトピー性皮膚炎は軽度の場合、軟膏(なんこう)を塗ったり、スキンケアをこまめにすることでかなり良くなる。

繰り返しかいて皮膚が弱くなったところへ異物の刺激や細菌感染が加わると、皮膚炎がひどくなり、ますますかゆくなるといった悪循環に陥る。

これを断ち切るにはステロイド剤で短期間治療する。このとき副作用を心配して指示された量を守らなかったりすると、皮膚炎はかえって悪化し長期化する。

皮膚炎を日ごろから予防するには、まず皮膚を乾燥させないように保湿効果のある外用薬を使う。皮膚の清潔を保つため毎日入浴するのも良い。ただし皮膚温度が高くなるとかゆみを起こしてしまうので、それを防止する入浴剤が必要となる。

現在効果が期待されているのは、ニンニクB1エキス配合のものと米発酵エキス入りの入浴剤。

ニンニクB1エキスは保湿効果があるアミノ酸を豊富に含み、皮膚の細菌を殺して血流量を増大する。

米発酵エキスもアミノ酸を含んでいるが、なぜ効果があるのかは今も研究中だ。ふだん清酒を飲む力士の肌がつやつやしていることや、米を主食とする東洋人が欧米人に比べ肌がきめ細かいなどということもヒントになっているようだ。

ともにアトピーの補助的療法として期待されている