『第30話』 1ヵ月経過した目薬は使わない

ある調査によると、45人に1人が「目の病気」で通院している。

現代はVDT(視覚表示装置)症候群という病名が生まれたように、ブラウン管や液晶板から発生する電磁波、マイクロ波、紫外線、磁場の影響で眼精疲労を起こす人が増えている。

市販されている目薬は40種以上もあり、成分にもいろいろ特徴がある。

パンテノール、アスパラギン酸、ビタミンB6の組み合わせは目の細胞に働いて、酸素利用能力を高め疲れ目を回復させる。

ビタミンB12は目の毛様体筋にATPというエネルギーを供給する。メチル硫酸ネオスチグミンという成分はその筋肉をマッサージするのと同じ効果をもつ。

特にOA機器による強い眼精疲労にはビタミンB2と網膜の代謝をよくするタウリンが入ったものがよい。

目の乾きや洗眼が目的ならば、涙と同じ成分の人工涙液を使用する。

プールで泳ぐと消毒用塩素にさらされて目が痛くなることがあるが、水道水にも塩素が含まれているので、水で洗うよりは専用の目薬をさした方がよい。

結膜炎に使う抗生物質やステロイドホルモン入りの目薬は長期乱用を避ける。

市販の目薬は、用法、用量を守って毎日使った場合、約1カ月でなくなる量にしてある。それ以上経過しているものは細菌感染の恐れもあるので使用すべきでない。ただし一度にたくさん使っても、目が受け入れる量は1滴分にすぎず、残りは口の中に流れてしまう。

感染を防ぐため家族との共用は避け、冷蔵庫に保存するのが良い