『第36話』 吸入剤使いすぎ、心臓に重い負担

頓服(とんぷく)薬には飲み方のほか、使い方もさまざまなものがある。

狭心症の発作には、舌下錠あるいはバッカル錠とよばれる錠剤がある。飲み込んだりせず、舌の下やほおと歯ぐきの間に

んでいると、口腔(こうくう)内の粘膜から直接吸収され、通常1分以内に効いてくる。効き目は5分ほどで最高に達するが、効いている時間も短く、発作が治まらない時は1~2錠追加する。それでもだめなら救急車でただちに病院へ行く。

特にニトログリセリン錠は、飲み込んでしまうと肝臓でほとんど壊されてしまい、効果は期待できない。誤って飲み込んだ時はさらに1錠を舌下に含むようにする。

発作を予防するための張り薬もある。これは作用時間が長く、普通1日1回張るだけで良い。特に心臓の上に張る必要はなく、上腹部や背中などでも良い。

ぜんそくの発作時に使用する吸入剤は、発作が起こったら一吸入し、2~5分たって効果があまりなければさらに一吸入する。1回に使用するのは二吸入までとし、4~6時間の間隔をあける。この薬は、使いすぎると心臓に悪い影響があるので、必ず医師の指示にしたがう。

吸入後、のどに軽い刺激を感じた時はうがいをするとよい。その他、からせきが強い時は鎮咳(ちんがい)剤を用いるが、1日4回以上の服用は避ける。

いずれの頓服薬も、使用方法に不安がある時は、医師か薬剤師に確認してほしい