『第43話』 血流を増加させ育毛効果高める

一度毛髪が抜けると、次の新しい毛が生えるには4カ月かかる。この間は毛根の準備期間にあたり、皮下で成長している。育毛剤をせっせっと振りかけて-も、その効果を肉眼で確認できるのはその後ということになる。

髪の毛は最も太くなると成長が休止期に入り、やがて抜け落ちる。髪の毛の寿命は男性の場合、2~5年だ。

十分に成長する前に休止期に入ると、毛は細く、毛根も皮下深くまで成長していないので、わずかな力で簡単に抜けてしまう。これが男性型脱毛症といわれるもので、遺伝や、血行不良、皮脂分泌過剰によって起こる脂漏性脱毛が原因といわれている。

出産後の分娩(べん)性脱毛や皮膚炎による脱毛も男性型脱毛と同様、休止期に入って毛が抜けたものだ。

一方、原因がはっきりしていない円形脱毛症は、成長期にある毛が抜けてしまう。頭髪に限らず、まゆ毛、あごひげなども抜ける。抜けた毛は針のように細く、毛根部も成長が不十分なため委縮している。

育毛効果のある生薬として、何首鳥(カシュウ)、竹節人参(チクセツニンジン)、当帰(トウキ)などがある。これらのエキスに、毛細血管の血流を増加する塩化カルプロニウムを混合したものが医薬品として市販されている。髪は毛根で育つ。シャンプーで髪を清潔にし、また洗髪で落ちた油分はヘアクリームなどで補う。育毛剤をつけて頭皮をよくマッサージすることが大切だ