『第47話』 一気飲みで酒が「狂い水」に変化

当センターは千秋公園のわきにあり、今年も満開となった桜を眺めることができる。そして、公園からは時折けたたましい救急車のサイレンが聞こえてくる。

観桜会での酒盛り、新人歓迎会での一気飲みなど、「百薬の長」が「狂い水」に変わる季節だ。

お酒に含まれるエチルアルエールは体のどの部分からも吸収されやすく、飲むと胃で20%、腸で80%が吸収される。

吸収されたアルコールは肝臓で数種類の酵素によってアセトアルデヒド、酢酸へと変化し、最後は炭酸ガスと水になる。

日本人の約半数は、2日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを分解するアルデヒド脱水素酵素Ⅰが欠乏している。つまりお酒に弱いということだ。お酒を習慣的に飲み続けるとアルコール酸化酵素が増えて酒に強くはなるが、飲み過ぎは禁物だ。

30分以内に清酒1.8リットル、ウイスキーで500ミリリットル以上を飲むのは自殺行為だ。さらに短い時間で飲んだり、体質的に酒に弱い人はこの半分以下の量でも死につながる。

急性アルコール中毒は素人には対処が難しいので、ちゅうちょせずに救急車を呼ぶことだ。その際、外傷の有無の確認だけはしておきたい。

また、精神安定剤などを服用している場合は毒性が強く現れることがあるので注意を要する。

楽しいはずの宴席がとんだ不幸につながらないよう注意したいものだ