『第48話』 塩素系有機溶剤、使用に気遣いを

フロンガスによる大気汚染、テトラクロロエチレン、トリハロメタンなど塩素系有機溶剤による水質、環境汚染が問題になっている。

しかしその生成過程や汚染源は全く違い、整理して考える必要がある。

塩素が含まれる身近なものは、洗濯のときに用いる漂白剤や水道水に含まれる残留塩素だ。

漂白剤を酸性の洗剤などと一緒に使用すると発生する塩素ガスは猛毒で、腐食作用がある。最近では「酸性の洗剤と混ぜないでください」という表示が義務付けられている。

フロンガスはクーラー、冷蔵庫の冷媒、発泡スチロールを作るときの発泡剤として使われ、その種類は多く、メタンやエタンといった炭化水素にフッ素、塩素が付いたものだ。人体に対する直接の毒性は低いが、オゾン層を破壊し、結果的に紫外線を増加させる。

通常、オゾン層があれば地上に達しない波長の短い紫外線は、殺菌効果が強く遺伝子を傷つける。だから、これらが増えると皮膚がんや白内障の増加、森林への影響、地球の温暖化が心配される。

フロンガスによる事故では、洗浄作業中にフロンガスが充満し窒息死した例がある。

最近はエコノマークの付いたさまざまな代替製品が出てきている。家庭でも積極的に環境問題に取り組んでほしい