紅麹(べにこうじ)が含まれる食品による健康被害について

先日、紅麹が含まれる機能性表示食品による健康被害が報道され、摂取した方に腎機能障害があらわれ、場合によっては透析が必要になったケースもあるとのことです。コレステロールの低下が期待できる食品(サプリメント)として販売されていました。
サプリメントはすべての方に効果が得られるものではなく、摂取量も目安として設定されています。
 

紅麹は麹菌の一種である紅麹菌(ベニコウジカビ/Monascus属カビ)を米に植菌して発酵させたものです。紅麹から作られる色素は古くから食品添加物として使われてきました。紅麹による色素はタンパク質との結合がよく、色もちがいいので多くの食品で使用されています。

紅麹に含まれる成分の一つでモナコリンKと呼ばれるものは、コレステロール合成阻害作用があり、海外では医療用医薬品として販売されています。

また紅麹はモナコリンKの他にも作られる成分があり、その中でシトリニンと呼ばれるカビ毒があります。欧州ではこれが原因となった腎機能障害などの健康被害が発生し、その後シトリニンの基準値が定められました。国によっては紅麹を含む食品の販売が禁止されているところもあります。

 
今回国内で報告された健康被害での原因食品とされているものに含まれていた紅麹は、このシトリニンを作り出す能力はないと製造メーカーから報告されているため、健康被害の原因物質は現在のところ特定されていません。今回この事態を受け、各社では原材料に紅麹を使用している一部の食品等の回収が行われています。

 
紅麹を使用している以外にも、普段摂取しているサプリメントなどについてご質問などがある場合は薬剤師にご相談ください。

令和6年3月26日